強み

河西工業の強みは、グローバルに展開された生産・販売ネットワークと、高い技術力に基づいた製品開発力です。世界11ヶ国に子会社を持ち、各地域や顧客のニーズに対応した開発機能を有しています。製品設計から制作までを一貫して行う開発体制により、顧客の要望に応じた製品を迅速に提供することが可能です。また、「環境」「安全」「魅力/快適」という３つのテーマに基づいた次世代自動車の開発を支える技術開発力も強みの一つです。これらの技術開発を通じて、未来を先取りする付加価値の高い製品作りを目指しています。同社は、自動車内外装部品の新しい価値を創造する製品を提供することを目標としており、そのため、製品の性能向上に努めるとともに、品質と価格競争力を両立させるためのグローバルな生産体制を強化しています。

弱み

河西工業の弱みとしては、販売先OEM（自動車メーカー）の生産状況に業績が大きく左右される点が挙げられます。過去には、OEMの減産や生産の不安定化により売上高が大幅に減少し、固定費の負担が増大した結果、営業損失を計上する状況に陥りました。また、事業構造改善費用や減損損失の計上が度々発生しており、収益性の改善が課題となっています。特に、海外子会社における減損損失や関係会社株式評価損が当期純損失の大きな要因となっていることが指摘されています。さらに、自己資本比率が低い水準で推移していることも懸念材料です。2024年3月期には8.7%まで回復しましたが、過去には債務超過に陥った時期もありました。加えて、近年の業績不振から株主への配当が実施できていない状況も弱みの一つです。