強み

リファインバースグループの強みは、独自の再資源化技術と多岐にわたる事業領域にあります。使用済みカーペットタイルの再資源化を事業の中心に据え、この分野で長年培った独自技術を有しており、廃棄されたカーペットタイルから再生樹脂を製造しています。この再生樹脂は、新たなカーペットタイルの原料として利用できるほか、製鋼副資材や再生ナイロン樹脂製品など、さまざまな製品の素材としても活用されています。 素材ビジネスでは、独自技術を基盤に廃カーペットタイルを再資源化し、再生塩化ビニルコンパウンド「リファインパウダー」の製造を行っています。また、自動車エアバッグの基布や漁網を再資源化して作られるナイロン樹脂「REAMIDE®」の製造・販売も手がけています。これらの製品は環境配慮型として需要が高く、同グループの競争力の源泉となっています。 資源ビジネスでは、産業廃棄物の収集運搬から再生樹脂の製造までを一貫して行う体制を構築しています。この体制により、運搬・選別作業の効率化やコスト削減を実現しています。また、各都道府県の許可を得て産業廃棄物の中間処理や再資源化を進め、法規制を遵守しながら事業を展開しています。 さらに、再資源化技術をグループ内だけでなく、国内外の企業にライセンス提供することで、環境技術の普及に貢献しています。この取り組みに加え、再資源化ノウハウを活用したコンサルティングを通じて、企業がスコープ3排出量を削減する支援も行っています。特に、スコープ3におけるカテゴリー1（購入品・サービス）とカテゴリー5（廃棄物）の分野で優れた成果を上げています。 グループ全体としては、機械的処理による分離技術を基盤に、建設、自動車、鉄鋼、アパレルといったさまざまな業界で事業領域の拡大を目指しています。また、ケミカルリサイクル向け原料プラスチックの販売事業など、新たな取り組みも推進し、持続可能な社会の実現に向けて積極的に貢献しています。

弱み

リファインバースグループの弱みとして、まず、オフィス需要に依存した事業構造が挙げられます。同グループの素材ビジネスは使用済みカーペットタイルを主な原料としており、その排出量は企業のオフィス移転や建替え、補修の影響を受けやすい状況にあります。特に、都心部での新規オフィス供給量の減少や空室面積の増加は、原料調達量や再生樹脂製品の販売量に悪影響を与える可能性があります。また、カーペットタイル市場の国内成長余地が限られている一方で、再生原料需要の変動も事業へのリスクとなり得ます。 バージン樹脂の価格変動も課題です。同グループの再生樹脂は石油由来のバージン樹脂と比較して価格優位性がある点が強みですが、原油相場や為替動向によりバージン樹脂の価格が低下すると、その優位性が失われ、競争力が低下する恐れがあります。 さらに、特定の取引先への依存もリスクとなっています。再生樹脂製品の多くが特定のインテリアメーカーに供給されており、長期納入契約が存在しないため、カーペットタイル市場の需要変動が業績に影響を与える可能性があります。 独自の生産設備やプロセスを使用している点もリスク要因の一つです。設備トラブルや故障が発生した場合、生産活動に影響を与え、事業継続に支障をきたす可能性があります。また、廃棄物処理や再資源化事業に関連する法規制の改正や行政指導の動向も経営リスクとなり得ます。許認可の更新や新規取得が滞った場合、事業継続に支障が生じる可能性があります。 工場用敷地や中間処理施設の賃貸借契約についてもリスクが存在します。賃貸契約が貸主の事情により解除された場合、代替施設の確保が難しければ事業継続に影響を与える恐れがあります。また、競合他社の参入が進むことで、資源循環事業の競争環境が厳しくなる可能性もあります。 最後に、人材育成と技術開発が課題として挙げられます。同グループは再生樹脂の高純度化や新規事業分野への進出を目指して研究開発を行っていますが、競争力を維持するためには継続的な技術開発と人材育成が不可欠です。