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日本精密
日本精密 オルタナティブデータ
日本精密 株主総会議案データ
日本精密について
強み
日本精密株式会社の強みは、長年にわたり培われてきた精密加工技術と、それに基づく多様な製品開発力にあります。 時計バンドの製造で培われた技術は、創業以来同社のコアコンピタンスとなっており、特に超硬セラミックス製や純チタニウム製時計バンドの製造・販売は、その技術力の高さを象徴しています。 また、時計バンドの製造技術を応用し、OA機器部品や自動車用プレス部品の製造・販売を手掛けるなど、多角的な事業展開を進めています。さらに、メガネフレームや釣具・応用品の製造・販売にも進出しており、市場の変化に対応できる柔軟な事業展開も強みの一つです。 グローバル展開においては、ベトナムやカンボジアに生産拠点を構え、コスト競争力を維持しつつ、世界市場での成長を目指しています。 技術開発力を市場競争力の核と捉え、専門技術者の確保や製造拠点の環境改善に積極的に投資しています。また、現地社員への教育機会提供や多様な人材の採用・育成にも注力しており、高いモチベーションを持つ社員のキャリアパスや働き方を実現しようとしています。 リスク管理体制では、リスク管理委員会が中心となり、取締役会が定期的にモニタリングを行うことで、気候変動や法制度・規制変更などの外部要因に対応できる体制を構築しています。 財務基盤の強化にも取り組んでおり、製造部門のサプライチェーン基盤強化や生産性向上、製造原価低減を図るとともに、金融機関からの支援や第三者割当増資を実施しています。 顧客との信頼関係の構築にも力を入れており、大口取引先との定期的な会議を通じて密な情報交換を行い、信頼を深めています。 また、環境問題への取り組みとして、工場排水の保全や産業廃棄物のリサイクルに取り組み、環境負荷の低減を目指しています。 これらの要素が組み合わさることで、日本精密株式会社は市場での競争優位性を確立し、持続的な成長を目指していると考えられます。
弱み
日本精密株式会社の弱みとして、まず業績の変動性が挙げられます。過去数年間で、売上高や利益が大きく変動し、特に経常利益や当期純利益が赤字となる年もありました。これは、関係会社株式評価損や貸倒引当金繰入額の計上などが原因で、大幅な減少を招いたためです。また、2024年3月期には当期純利益が黒字に転換しましたが、依然として多額の繰越損失を抱えています。 次に、外部環境の変化に業績が左右されやすい点も弱みとして挙げられます。大口取引先の戦略変更や製品仕様の変更、注文の解約やスケジュール変更は、同社の業績に影響を与える可能性があります。また、取引先の業績不振や倒産による不良債権の発生、商品の調達に支障が生じるリスクも存在します。特に人件費の高騰や人員不足も懸念材料であり、特にベトナムやカンボジアの生産拠点においてこれらの問題が発生した場合、稼働率の低下が懸念されます。 さらに、自然災害や予期せぬ事象によるリスクも無視できません。日本国内のみならず、中国、ベトナム、カンボジアなどにも生産拠点があるため、これらの国で発生する政情不安、自然災害、戦争、テロ、経済状況の変動、法律や税制の変更、労働力不足、ストライキ、感染症の拡大などが事業戦略や業績に影響を与える可能性があります。特に工場が被災した場合、製造停止による売上高の減少や物流の遮断による入出荷の途絶が懸念されます。 加えて、環境・気候変動によるリスクも重要です。工場排水の保全や産業廃棄物のリサイクルに取り組んでいますが、環境汚染による損害や廃棄物処理費用の増加が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動や脱炭素社会への移行に伴う新たな費用が発生するリスクもあります。 さらに、自己資本比率が低いことも弱点です。自己資本比率は、2020年3月期の41.8%から2024年3月期には29.4%まで低下しており、財務基盤の強化が急務となっています。