強み

稲畑産業の強みは、多岐にわたる事業分野でのグローバルな展開力にあります。情報電子、化学品、生活産業、合成樹脂といった幅広い分野で事業を展開することで、市場の変化に柔軟に対応し、リスク分散を図っています。また、国内外に多数の連結子会社と関連会社を有するネットワークを活かし、グローバルな視点での情報収集力と販売力を有しています。各事業分野においては、長年の経験で培われた専門知識を持つ人材や、優良な顧客基盤が強みとなっています。特に化学品分野では、高度な専門知識を持つ人材を擁し、100年以上の歴史で培った情報収集力と顧客基盤が大きな強みです。各営業部門では、市場の情報を収集し、価格動向を注視するだけでなく、徹底した在庫管理を行っています。さらに、取引先との協業関係を重視し、事業活動の円滑化や関係強化に努めている点も強みです。

弱み

稲畑産業の弱みとして、商品相場の変動に影響を受けやすい点が挙げられます。同社が取り扱う情報電子材料、ケミカル原料、食品、合成樹脂は、商品相場の変動に大きく影響されます。市況変動への対応が不十分な場合、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外での事業展開においては、為替レートの変動リスクも存在します。原則として為替予約等のヘッジ取引を行っていますが、為替レートの変動による影響を完全に回避することは難しい状況です。さらに、一部の事業においては、市場の低迷や競争激化の影響を受けており、例えば、コンパウンド事業はOA・家電向けを中心に低調であり、フィルム関連では軟包装分野で物価上昇による消費停滞の影響を受けています。また、海外事業においては、各国政府の規制や雇用問題等により、事業再構築の計画が適時に実行できない可能性や、事業再構築が当初の目的を達成できないリスクもあります。