強み

ゼット株式会社の強みとして、まず挙げられるのは、スポーツ用品全般を扱う専門卸としての豊富な商品知識と仕入れルートです。同社は、国内外約300社から商品を仕入れ、全国のスポーツ用品小売店や量販店に販売する卸売部門を擁しています。また、自社ブランド製品の開発・製造を行うゼットクリエイト株式会社を抱え、製造から販売まで一貫した体制を構築している点も強みです。特に、野球用品においては、企画から製造まで自社で行うことで、高品質な製品を提供しています。さらに、直営店舗での小売販売も行っており、顧客のニーズを直接把握できる体制も整っています。物流部門では、ザイロ株式会社と株式会社ジャスプロがグループの物流業務を担い、効率的な物流体制を構築しています。近年では、アスレチックス、チームビジネス、外商ビジネス、ECビジネスが好調に推移しており、これらの分野での販売力強化が業績に貢献しています。また、長年の実績とブランド力も強みの一つです。同社は、スポーツ用品業界における長年の経験と実績があり、多くの顧客からの信頼を得ています。加えて、環境への配慮や人権尊重といったESG経営を推進しており、社会的な責任を果たしながら持続的な成長を目指している姿勢も評価できます。

弱み

ゼット株式会社の弱みとして、まず挙げられるのは、国内市場への依存度が高いことです。売上の大部分を日本国内における営業活動に依存しているため、少子高齢化や消費者の購買行動の変化、景気変動、自然災害、感染症の拡大など、国内の消費マーケットの変化に大きく影響を受ける可能性があります。また、生産を海外に依存している点もリスク要因です。海外の協力工場で生産を行っているため、政治・社会情勢の変化、自然災害、感染症の発生など、海外生産国の環境変化によって製品供給の停止や遅延、原材料・エネルギー価格の変動が発生する可能性があります。さらに、為替相場の変動も経営に影響を与える可能性があります。海外生産品を多く取り扱っているため、為替相場の変動によって仕入価格が上昇する可能性があります。また、他社とのライセンス契約に基づき製造販売を行っているブランドもあるため、ライセンサーの販売戦略の変更などにより契約が打ち切られるリスクも抱えています。その他、商品陳腐化のリスクもあり、市況の変化によって追加の評価減や商品販売ロスが発生する可能性もあります。さらに、物流改革のための投資が増加しており、一時的に利益を圧迫する要因となっています。