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京都ホテル


従業員数パッケージプラン
月額: 4,400

Metrics

従業員数

データ粒度:month

従業員数(子会社を含む)


企業分析

強み

株式会社京都ホテルの強みは、ホテルオークラ京都とからすま京都ホテルという二つのホテルを運営し、それぞれの特徴を活かした多様なサービスを提供できる点にある。宿泊部門では、全国旅行支援や訪日外国人観光客の増加を背景に、特に海外からの旅行客が大幅に増加し、売上はコロナ禍前の水準まで回復している。また、修学旅行客などの団体客の利用も堅調に推移している。宴会部門では、企業主催の祝賀会やイベントの需要が増加し、修学旅行などの団体需要も増加しており、売上は堅調に推移している。レストラン部門では、ブッフェレストラン「トップラウンジ オリゾンテ」や中国料理レストランが好調で、売上を伸ばしている。 さらに、同社は顧客の安心安全を最優先に考え、感染予防ガイドラインに沿った運営を徹底しており、従業員の感染予防対策も強化している。この取り組みにより、顧客が安心してホテルを利用できる環境づくりが進められている点も強みである。創業135周年という長い歴史の中で培われたブランド力と、長年のホテル運営によるノウハウも同社の大きな強みと言える。 業績面では、2023年12月31日までの第3四半期累計期間において、売上高が前年同期比で15億6300万円増の69億3327万円、経常利益が前年同期比で7億4000万円増の7億7225万円、四半期純利益が前年同期比で7億4000万円増の7億6008万円となっており、業績が回復傾向にあることが示されている。特に、2022年4月1日から2022年12月31日までの期間の四半期純利益は1962万7千円であったが、2023年4月1日から2023年12月31日までの期間では7億6008万9千円と大幅に増加しており、収益性が向上していることが分かる。 これらの要因を総合的に見ると、株式会社京都ホテルは、多様な顧客ニーズに対応できるホテル運営力、顧客の安全安心を重視する姿勢、そして業績回復という点で、確かな強みを持っていると言える。

弱み

株式会社京都ホテルの弱みとして、まず挙げられるのは過去の業績の不安定さである。資料によると、同社は2019年3月期以来、当期純利益を計上し黒字決算となったが、それ以前の直近3期は営業損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が存在していた。これは、新型コロナウイルス感染症の影響によるものとされるが、外部環境の変化に業績が左右されやすいという弱みを示唆している。 また、資料には短期借入金を長期借入金に借り換えたことで当面の資金繰りの懸念は解消されたと記載されているが、これは裏を返せば一時的に資金繰りに苦慮していたことを意味している。 さらに、エネルギー・原材料価格の高騰に対応するために販売価格の見直しを行っていることが述べられており、これはコスト上昇に価格転嫁で対応せざるを得ない状況を示している。これにより、価格競争力を維持する上で課題が生じる可能性がある。また、人員不足が深刻化しており、部署間の垣根を越えた社内ヘルプ体制の強化が進められている状況から、人手不足が経営上の制約となっていることが伺える。 さらに、ホテルオークラ京都では一部で営業制限が継続している状況が収益機会の損失を意味しており、これも弱みと捉えられる。 加えて、主要な経営指標の推移を見ると、第104期から第105期にかけて売上高や利益は大幅に増加しているが、自己資本比率は6.8%から11.1%に改善したものの、依然として低い水準にとどまっている。これは財務基盤が必ずしも強固ではないことを示唆しており、今後の事業展開や不測の事態への対応において制約となる可能性がある。 最後に、今後の設備投資に関して計画的な検討と実施が求められており、施設の老朽化や陳腐化への対応が必要であることを意味している。これにより、追加の費用負担が発生する可能性がある。