9934 因幡電機産業

因幡電機産業株式会社は、1949年5月に大阪で設立され、電気機器類の製造・販売を事業の起点としています。その後、全国的な拠点展開を進め、1976年に事業部を分社化し、1978年には因幡電工株式会社を分離独立させました。同社は、電設資材事業、産業機器事業、自社製品事業の3つを柱とする事業構造を持ち、それぞれの分野で多様な製品やサービスを提供しています。 電設資材事業では、電線ケーブル類、照明器具、受配電機器などを取り扱い、特に電線ケーブル類の販売が好調です。首都圏再開発や製造業の設備更新、データセンター向けの防災設備や受配電設備の納入にも対応しています。産業機器事業は、制御機器や電子部品、FA関連機器などを扱い、省力化や自動化需要を背景に底堅い需要がある一方で、半導体関連の生産調整や設備投資抑制の影響を受け、制御機器や電子部品の販売が減少しました。自社製品事業では、空調配管化粧カバー「スリムダクトシリーズ」や被覆銅管、さらにパトライトによる表示灯や回転灯を製造・販売しています。しかし、ルームエアコンの出荷減少や海外での設備投資需要の停滞により、販売の伸び悩みが見られます。 同社はこれらの事業を通じて、住宅設備分野における情報配線システムの開発や、省エネ・省力化ソリューションの提供を進め、特に首都圏市場でのシェア拡大を目指しています。また、環境経営やサプライチェーン全体での人権尊重、地域社会との協力、誠実な情報開示、従業員の自律的な行動を重視し、サステナビリティへの積極的な取り組みを行っています。