強み

株式会社ヨンキュウグループの収益構造は、「販売数量×１キログラム当たりの一定幅マージン」で利益を確保する仕組みとなっており、販売数量を増やすことが重要です。同社は、長年培ってきた養殖業界での知識や経験、全国の漁協や養殖業者とのネットワークを活かし、良質な鮮魚や餌料・飼料を安定的に調達できる点を強みとしています。また、人工ふ化事業は高収益性の事業であり、収益に貢献しています。さらに、連結子会社との連携により、鮮魚の販売から運送までをグループ内で一貫して行うことができ、効率的な事業運営を実現しています。リスク管理においては、リスク管理委員会を設置し、気候変動を含む環境・社会問題等の事業リスクを識別・評価し、定期的に取締役会に報告することで、リスクの低減に努めています。

弱み

株式会社ヨンキュウグループの経営成績は季節的変動があり、特に売上高比率の約6割を占める「鮮魚の販売事業」における業界動向、価格動向が経営成績に影響を与える可能性があります。養殖魚の生産量と販売価格には密接な関係があり、供給過剰の場合には販売価格が低下し、経営成績に影響を与える可能性があります。また、人工ふ化事業では、病気による斃死などの予想し得ない事態が生じた場合には、経営成績に影響を与える可能性があります。さらに、自然災害（台風や津波等）や環境汚染・赤潮発生等によって、養殖中のマグロへの被害（大量死）、養鰻事業では、稚魚（シラス）の不漁などにより仕入価格が高騰し、生産コストの上昇や病気による斃死などの予想し得ない事態が生じた場合には、経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。2024年3月期の経営成績では、販売費及び一般管理費が増加（貸倒引当金が前連結会計年度は戻入、当連結会計年度は繰入及び諸経費高騰）し、また、養鰻事業においても稚魚不漁により稚魚代高騰や飼料高騰による養殖原価が上昇し、各利益が前年実績を下回っています。