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東証グロース市場の高配当銘柄分析

公開日:2025年04月08日
Note

※()内はPERAGARUの来期予想利回り・株価は25/4/7終値ベース

ブロードマインド (9.78%)

前期・今期の配当: 2023年9月期に年間20円の配当を初めて実施しました(配当性向約50%)。2024年9月期は業績横這い見通しですが、年間20円程度を維持する方針で、予想利回りは約10%と突出しています。

配当性向・株主還元方針: 上場間もない独立系FP企業ですが、早期に株主還元を開始し、配当性向50%前後を目安としているとみられます。成長投資と並行して配当を行うことで株主の支持を得る狙いがあります。自己株買いは行っていません。

実績と今後: 前期は利益成長に伴い1株20円の配当を開始しました。株価低迷により**利回り10%**という異例の高水準になっています。これは同社の成長力が市場に正当に評価されていない面もあり、経営陣も配当継続によって株主還元姿勢を示しつつ企業価値向上を図る方針です。今後も業績拡大に応じ配当額を増やす余地が大きく、現状の高利回りは投資家にとって魅力的ですが、中長期的には株価上昇で利回りが平常化する可能性があります。

スマイルホールディングス (7.98%)

前期・今期の配当: 2024年3月期は年間11円を配当しました(グロース市場では異例の高配)。2025年3月期も堅調なM&A仲介収益を背景に年間12円への増配を計画しており、予想利回りは約8%です。

配当性向・株主還元方針: 創業オーナー主導の企業ですが、近年株主還元に積極的です。配当性向は非開示ながら、利益規模に比し高い配当を出していることから配当性向80%超と推察されます。成長投資をしつつも剰余資金は積極的に株主に還元する方針です。

実績と今後: 前期は株式公開の効果で案件受注が増え、増収増益でした。その利益を潤沢に配当に振り向け、利回り約8%を実現しました。今期も増配計画であり、引き続き高利回りが続く見込みです。社長は大株主でもあり、高配当政策は株主と経営者利益の一致によるものです。今後も業績に応じ高い配当性向で迅速に還元する経営姿勢が維持されるでしょう。


シンスペクティブ (8.48%)

前期・今期の配当: 2024年12月期は無配(開発段階のため)でした。しかし上場に伴い特別利益の分配を行うとの報道があり、これが利回り8.48%という数字に表れている可能性があります。2025年12月期も基本無配見通しです。

配当性向・株主還元方針: 宇宙ベンチャーであり、本来配当より成長投資を優先するフェーズです。株主還元方針は未定で、将来黒字化までは無配が続くと予想されます。

実績と今後: 高利回りの数値は上場時に一部出資者への払戻し等特殊要因によるものと思われ、一般株主への定常的な配当ではありません。中長期では自社衛星の商用サービスが軌道に乗り利益が出始めれば、改めて株主還元策を検討するでしょうが、現時点での高利回りは継続性がない点に注意が必要です。

プロパティデータバンク (4.84%)

前期・今期の配当: 2024年3月期は年間12円を配当し、配当性向は約50%でした。2025年3月期も年間12円を維持予定で、予想利回りは約4.8%です。安定成長企業らしい水準です。

配当性向・株主還元方針: クラウド型不動産管理システムを提供する同社は、**「配当性向50%程度」**を目安に安定配当を続けています。内部留保も厚く、成長投資余力を残しつつ株主にも利益を半分還元するバランスです。自己株買いはしていませんが、堅実な経営から総還元性向50%が維持されています。

実績と今後: 前期は増収増益で50%配当性向を達成(12円配)し、利回り約5%となりました。今期も堅調な受注が続き同水準配当が見込まれます。グロース市場では数少ない安定高配当銘柄として投資家に認知されており、今後も業績拡大に合わせ徐々に配当額を引き上げる方針でしょう。株主還元と成長投資の両立が図られており、中長期で総合的な株主価値向上が期待できます。