BASEと個人投資家・牧寛之氏の対立:公開買付けをめぐる攻防
BASEと個人投資家・牧寛之氏の間で、公開買付けをめぐる攻防が続いています。この記事では、両者のこれまでのやり取りと今後の展開について解説します。
これまでの経緯
3月19日:BASEが対応方針を導入
BASE株式会社は3月19日、牧寛之氏からの公開買付け予定の連絡を受け、「大規模買付行為等への対応方針」を導入しました。この方針は、株主が適切な判断を下すための情報と時間を確保することを目的としています。
3月25日:牧氏からの回答
牧氏は代理人弁護士を通じて以下の主張を行いました:
3月31日:対面協議
BASE代表の鶴岡氏は牧氏と面談し、対応方針の遵守を再度要請しましたが、牧氏は応じない姿勢を示しました。BASEは秘密保持契約を結んだ上での協議を提案しました。
4月2日:牧氏が秘密保持契約を拒否
牧氏は「風説の流布」「相場操縦」などの指摘を受けているため、秘密保持契約は不要と主張。また、公開買付けの価格や保有比率についてBASE側の見解を求めました。
4月9日:最終回答
牧氏は秘密保持契約締結を拒否し、関東財務局への事前相談を開始する意向を伝えましたが、公開買付けの具体的条件は示していません。
BASEの懸念
BASEは牧氏の対応に以下の懸念を表明しています:
今後の展開
BASEは、牧氏が対応方針を遵守せずに公開買付けを開始した場合、対抗措置の発動について株主意思確認総会を開催する方針です。すでに臨時株主総会招集のための基準日設定を決議しており、独立社外取締役3名で構成される独立委員会に諮問を行っています。
BASEは「現経営陣の保身が目的ではない」と強調し、対抗措置の発動については独立委員会の意見を最大限尊重するとしています。また、対抗措置として新株予約権の無償割当てを実施する場合でも、一般株主の株式価値の希釈化は生じないよう設計されています。
今後は、牧氏による公開買付けの正式発表とBASE側の対応が注目されます。両者の対立は、東証グロース市場に上場するBASEの株主価値と経営の在り方を問う重要な局面となっています。