3979 うるる 初回レポート
証券コード3979 うるるについて、今期及び来期にわたる業績予想について紹介する。同社は2003年10月に在宅ワーカーを活用したデータ入力専門店として創業し、2017年3月に東証マザーズ(現グロース)市場に上場している。「NJSS」「fondesk」「えんフォト」などのSaaS事業とBPO事業を展開しており、主力のNJSS事業が売上高全体の約48%を占めている。
NJSS事業は官公庁等が発注する入札情報のデータベースをSaaSとして提供している。数百名のクラウドワーカーが約8,800の入札実施機関から情報を収集し、顧客企業はこのデータベースを月額制で利用する。「nSearch」などの周辺サービスも含め、高い粗利率(約90%)を誇るストック型ビジネスである。
fondesk事業は「月1万円から使えるスマートな電話番サービス」として、企業宛に掛かってくる電話をクラウドワーカーが代理受電し、受電内容をチャットツールで伝言するサービス。企業のDX推進を背景に有料契約件数は2024年12月末時点で5,422件と前年同期比+15.8%で成長し、解約率は直近12ヶ月の平均月次解約率が1.2%と低水準を維持しており、将来の安定的な収益基盤となっている。
えんフォト事業は幼稚園・保育園と保護者の手間を大幅に削減する写真販売システムを提供している。園は無料で利用可能で保護者が写真を購入する際に収益が発生するビジネスモデルとなっている。また園のイベント時にクラウドワーカーをフォトグラファーとして手配する付加価値も提供している。契約園数は2024年12月末時点で5,028園と前年同期比で増加し、特に写真販売単価の高いカメラマン派遣比率の上昇により園当たり売上高が増加している。 一般消費者を対象とする出張撮影マッチングサービスのOurPhotoとのシナジーによりフォトグラファーリソースの確保が競争優位性となっている。
BPO事業はクライアントのノンコア業務を受託し、国内外の協力会社やクラウドワーカーといった多様なリソースを活用してソリューションを提供している。特に、紙面情報の電子化を行うスキャンやデータ入力に強みを持ち、DX需要の高まりに伴いスキャン業務が好調に推移している。また、SaaS事業者を人力でサポートするBPaaS領域の売上も伸長している。
2025年3月期第3四半期累計の連結業績は、売上高47億6,100万円(前年同期比+15.7%)、EBITDA5億9,200万円(同▲41.0%)となった。売上高は全てのセグメントで成長しており、SaaS関連事業(NJSS、fondesk、えんフォト)のARRは49億4,800万円と順調に成長している。
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