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米国の日本からの輸入品目と追加関税賦課状況

公開日:2025年04月23日
Note

米国の関税措置の概要

2025年4月、米国政府は日本からの輸入品に対して複数の関税措置を発動しました。経済産業省の発表によると、これらの措置は以下の3つのカテゴリーに分けられます:

  • 鉄鋼・アルミ及び派生品: 追加関税率25%(3月12日より)
  • 自動車及び自動車部品: 追加関税率25%(4月3日より)
  • 相互関税: 追加関税率24%(ただし4月10日より90日間は措置の一部停止により追加10%)
  • また、相互関税から除外された品目(半導体、医薬品等)については、今後個別に関税措置が予定されています。

    日本の対米輸出の状況

    日本の対米輸出総額は約1,480億ドルに達しており、主要輸出品目の構成比は以下の通りです:

    品目構成比金額
    自動車/部品34%513億ドル
    生産用・業務用・汎用機械24%361億ドル
    エレクトロニクス13%192億ドル
    精密機械4.7%71億ドル
    化学製品6.6%100億ドル
    医薬品4.9%74億ドル
    鉄鋼2.0%31億ドル
    航空機部品1.2%18億ドル
    その他8.0%121億ドル

    ※対象外品目:192億ドル(HS2桁で分類)

    主な影響と課題

    関税措置の影響については、企業の種類によって状況が異なります:

  • 自動車メーカー等の輸出事業者:消費者向け(BtoC)製品で競合他社も多いため、値上げが難しく、値上げをした場合には売上げが減少するリスクがあります。現在、実際に生じる関税負担への対応方策(値上げをするか、価格維持して自ら負担するか)を検討中です。
  • 部品メーカー等のサプライヤー:輸出事業者の生産が減産となった場合の影響への不安の声が多くあります。
  • 企業向け(BtoB)品目(機械・素材等):製品の特殊性や技術力に応じて値上げ交渉の余地があるものもありますが、仮に転嫁できたとしても今後の市場環境によっては販売数量へのリスクがあります。

  • 今後の展望

    先行き不透明感から多くの企業が米国向け販売減や値下げ圧力、受注減、資金繰り悪化、雇用への影響を懸念しており、動向を注視しています。また、投資計画や事業ポートフォリオの見直し、販路開拓を検討する動きも見られます。

    政府は引き続き企業の声を聞きながら、適切な支援策を検討・実施していくことが求められています。