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公開日:2025年04月27日
Note

 パーク24は1985年8月に駐車場の保守及び運営管理事業で創業し、1999年4月に東証に上場した企業である。現在は東証プライム市場に区分され、国内駐車場事業、海外駐車場事業、モビリティ事業の3事業を展開している。各事業の売上高構成比は国内駐車場事業が約50%、海外駐車場事業が約20%、モビリティ事業が約30%となっている。

 国内駐車場事業では、遊休地や施設付帯駐車場棟を賃借するサブリース契約(タイムズパーキング)と、駐車場所有者等から管理の委任を受ける管理受託契約お酔い駐車場の自社保有により、時間菓子及び月極駐車場サービスを提供している。また、予約型駐車場の運営(タイムズのB)も行っている。コロナ禍で培った、売上の立ち上がりが早く、開設初年度から利益貢献できる物件を厳選開発するノウハウの活用で、収益性が維持された事業拡大が今後も期待される。また車番認証カメラの活用など入出庫や精算時の利便性向上に向けた取り組みも進んでいる。

 海外駐車場事業では、英国、豪州、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、台湾において、サブリース契約並びに管理受託契約により時間貸及び月極駐車場サービスを提供している。各地域の駐車場需要環境に適した収益性の高い短期契約駐車場(各国版タイムズパーキング)の開発を促進し、M&A実施以前より存在していた大型かつ長期契約駐車場に偏った事業ポートフォリオを最適化し、事業リスクの低減に努めている。

 モビリティ事業では、全国の有人店舗及び無人ステーションで、利用したい時間・期間だけクルマを借りることができるカーシェアリング(数時間)とレンタカー(1日以上)の融合サービス(タイムズカー)を提供している。またクルマの事故・故障に対応するロードサービスも提供している。会員数、車両台数、貸出拠点数ともに順調に増加しており、さらなる成長が期待できる事業である

国内駐車場事業
・タイムズタワー精算機への載せ替え、カメラ式・キャッシュレス駐車場への転換への投資は2025年10月期に22億円を計画(2024年10月期は8億円)しており、投資による収益性低下を短期的に許容し、長期的な成長基盤を構築するという方針、中長期的にキャッシュレス決済による集金コストの減少や駐車場機器(ロック版やゲート)の削減によるメンテナンスコストの減少を見込む。

海外駐車場事業
・2017年のM&A 実施以前より存在していた既存物件は非常に大型のものが多いため賃料も高い一方、各国版 TP は平面・小型の物件を中心に開発しているため、賃料を抑えられ ることに加えカメラで管理する物件が主流であることから設備投資額も少額となり、初期投資の回収期間 は短い。また、物件の契約期間に関しても、既存物件は長期であるが各国版 TP は短期 のため、需要に応じた機動的な展開が可能。これらの理由から、既存物件に比べて各国版 TP の収益性は高くなっている 。

・既存物件については、オーナーとの契約の都合上、手放すことは非常に困難。既存物件はコロナ禍を 経て収益性が悪化したが、即座に手放せないため、想定売上までの立ち上がりが早く収益性 の良い各国版 TP を開発し、相対的に既存物件の影響度合いを軽減                              
モビリティ事業
・タイムズカーの車両調達は4年サイクルで行い、減価償却をしたのち売却(24年10月期に売却する車両は20年10月期に調達したもの)
・土日の稼働に対して平日の稼働が半分程度→平日の上昇余地大→平日に特化して稼働を上げるため法人会員をターゲットにした CM等のプロモーションや法人営業の強化
・車両台数・売上高の比重が長時間利用のレンタカーから短時間利用のカーシェアへのシフトを明言(車両1台あたりの稼働効率がカーシェアの方が高いことを示唆、レンタカーは有人店舗が基本で、貸出・返却時に人員が必要であるが、カーシェアは無人システムで24時間貸出・返却が可能であるため固定費が小さく、より多くの利用機会を創出可能でスケールメリットも享受できる)
・2025年10月期の車両台数の計画は79,000台

売上原価・販管費
・英国において24年4Qに長期修繕引当金 戻入など合計27億の一過性の事業利益あり

ポイント

・半導体問題などで新車供給が非常に少ない時期など中古車市場は過熱→車両売却・処分の売上高+利益率UP
・カーシェアに関しては、海外の自動車免許保有者へ開放していないためインバウンドによる需要増はあまり期待できない

・運転免許保有者数は近年わずかに減少傾向にあるが約8,100万人,会員数は約310万人
・「自動運転の時代が到来したときのことをすで に想定。例えば、タイムズカーの車両をすべて自動運転 車に変えた場合10万台以上の自動運転車を保有し、かつ、全車両の待機場所を有する 日本最大のモビリティサービス事業者となり得る。 また、「中央管制センター」は自動運転の時代を見据えたものであり、着実に準備を進めていきます。」

・24年2月からタイムズカーの距離料金及び安全保障サービス加入価格を改定し、やや値上げしたが、現在価格改定の計画はないとのこと