価格維持と国内2000店舗構想——サイゼリヤの戦略と展望
【企業分析】価格維持と国内2000店舗構想——サイゼリヤの戦略と展望
はじめに:インフレ環境と外食産業の対応
2022年以降、日本は長期にわたる物価停滞から一転、急速なインフレに見舞われています。特に外食産業では原材料費の高騰が経営を圧迫し、多くの企業が値上げに踏み切る中、サイゼリヤは「価格維持」という異色の戦略を貫いています。
企業物価指数や賃金の推移を見ると、2022年以降上昇基調が続いており、輸入食品・農産物は2020年比で170%、国内農林水産物も米価の170%が牽引し150%近い水準となっています。パートタイム賃金も時給ベースで115%に上昇しています。
外食産業は業態によって差はありますが、一般的に原価と人件費で売上高の6割程度(原価3~4割、人件費2~3割程度)を占めることが多く、これらのコスト上昇は企業経営に大きな影響を与えています。
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