2026年酒税改正（酒税統一）の概要と関連銘柄への影響分析

酒税統一の具体的な内容（改正内容と時期）

2018年の税制改正により、酒税法が段階的に見直され、2026年（令和8年）10月に酒税の税率区分が大きく統一される予定。特にビール類（ビール・発泡酒・新ジャンル）は3段階の移行期間（第1段階: 2020年10月、第2段階: 2023年10月、第3段階: 2026年10月）を経て350mlあたり54.25円（1キロリットルあたり155,000円）に一本化。これにより、これまで商品ごとに異なっていたビール類の税率（例えば改正前はビール約70円、新ジャンル約37.8円/350ml）が最終的に同一水準に。

また、ビール系以外の酒類についても簡素化が図られる。醸造酒類（日本酒〈清酒〉、ワイン等）は2023年10月までに税率が1キロリットルあたり100,000円（350ml換算で約35円）に統一済み。これは2020年と2023年の2段階で実施され、日本酒は減税、ワインは増税となる形で均一化。さらにその他の発泡性酒類（いわゆる缶チューハイなどのRTD飲料）は2026年10月に税率が1キロリットルあたり100,000円（350ml換算35円）に引き上げ予定。現在より約25%の増税幅となり、この改正も含め低アルコールの蒸留酒やリキュールの特例税率も2026年に引き上げ。

政府（財務省）の説明によれば、今回の酒税改革の目的は「類似する酒類間の税率格差が商品開発や販売数量に影響を与えている状況を改め、酒類間の税負担の公平性を回復する」こと。税収中立の下で実施される。要するに、これまでビール系飲料では税率の差を突いた商品開発（発泡酒・第3のビールの創出）が行われ消費が移行してきた経緯があるため、税制面でゆがんでいた競争条件を是正し、公平な市場環境に戻す狙い。