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イフジ産業


従業員数パッケージプラン
月額: 4,400

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従業員数

データ粒度:month

従業員数(子会社を含む)


企業分析

強み

イフジ産業株式会社の強みは、液卵関連事業における長年の経験と多岐にわたる拠点展開にあります。1982年に関東地区で事業を開始した後、福岡、奈良、三重へと拠点を拡大し、各地域に根ざした事業展開を行っています。4つの工場を有し、不測の事態に備え、他地域の工場から供給できる体制を整えている点も強みです。 液卵関連事業では、製パン業界に対する高い売上比率を誇り、安定した販売基盤を確立しています。主要な販売先である製パン業界との関係を維持・拡大しつつ、冷凍食品メーカーや総菜メーカーなど新たな業種・市場への販路拡大にも注力し、特定の業種への依存度を減らす努力をしています。また、液卵の販売単価と仕入単価が鶏卵相場に連動して変動する中で、一定の差益を確保するノウハウを持っている点も強みです。 さらに、研究開発にも注力しており、液卵の品質改良や新製品開発に取り組んでいます。特に、殺菌液卵の起泡性向上や顧客のニーズに応じた製品開発に力を入れており、研究機関や大学との連携を通じて、卵殻や卵殻膜の新規用途開発にも取り組んでいます。これにより、鶏卵の新たな価値創造を目指しています。 人材面では、多様性を重視した環境整備を進めており、特に女性の活躍推進に力を入れています。育児と仕事の両立支援や社内託児所の設置など、働きやすい職場環境の整備にも積極的に取り組んでいます。 加えて、コスト削減活動にも力を入れており、従業員からの提案制度を設け、コスト削減意識を高め、ローコストオペレーションの推進を行っています。 これらの強みに加え、自己資本比率が高いことも、安定した経営基盤を支える要因となっています。さらに、連結売上高経常利益率8%以上を目標に、利益を製造設備や研究開発への投資、株主への利益還元、従業員の所得向上などに活用し、持続的な成長を目指している点も強みと言えます。

弱み

イフジ産業株式会社の弱みとして、まず鶏卵市況の変動に業績が左右されやすい点が挙げられます。同社の液卵関連事業は、鶏卵相場に連動して販売単価と仕入単価が変動するため、相場が大きく変動すると収益性が悪化するリスクがあります。特に、鳥インフルエンザの発生は鶏卵の供給不足や価格高騰を引き起こし、同社の経営に大きな影響を与える可能性があります。2022年から2023年にかけて発生した過去最大規模の鳥インフルエンザの影響により、2023年10月まで鶏卵相場が高水準で推移し、同社の業績にも影響を与えました。 また、同社の販売先が特定の業種に偏っている点も弱みの一つです。特に、製パン業界への売上高比率が約40%を占めており、同業界の仕入・生産動向が同社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。冷凍食品メーカーや総菜メーカーなどの新たな業種への販路拡大に努めていますが、依然として特定の業種への依存度が高い状況です。 さらに、凍結製品の在庫管理も課題として挙げられます。同社は、長期保存が可能な凍結製品を製造・保管していますが、鶏卵相場の変動や販売量の予測ミスにより、過剰在庫や在庫不足が発生するリスクがあります。在庫管理は外部倉庫業者に委託しており、日常的な数量管理は証憑確認が中心となるため、タイムリーな在庫把握が難しい側面もあります。また、鶏卵相場が下落基調となる際には、保有する棚卸資産の収益性が低下し、棚卸資産評価損を計上するリスクもあります。実際に、当連結会計年度では鶏卵相場の変動幅が上期と下期で極めて大きかったため、501百万円の棚卸資産評価損を計上しました。 その他、自然災害やシステム障害による事業継続リスクも存在します。同社は関東、東海、近畿、九州に工場を構えていますが、大規模地震などの自然災害が発生した場合、公共インフラの停止や工場の修復などにより、経営成績に影響が出る可能性があります。また、サイバー攻撃や不正アクセスによる情報漏洩も、同社の信用低下や財政状態に影響を与える可能性があります。 これらの弱みに対応するため、同社は仕入先の多様化、新たな販路の開拓、リスク管理体制の強化などを進めていますが、これらの課題に引き続き取り組むことが重要です。