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3186 ネクステージ 25年11月期2Q決算後レポート

公開日:2025年07月15日
Note

7月7日に発表されたネクステージの25年11月期2Q決算を受けて業績予想モデルのアップデートを行なった。

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今回の決算内容について軽く振り返りを行い、次回決算の内容・注目点について言及する。

 株式会社ネクステージの2025年11月期2Q連結業績は、売上高が3,089億36百万円となり、前年中間期比で16.6%の増加を記録した。一方、営業利益は70億69百万円(同9.0%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は42億65百万円(同21.1%減)と、増収減益の結果となった。

 しかし特筆すべきは、当初の2Q累計期間の連結業績予想を大幅に上回る実績を達成した点である。実績値は、売上高で予想を12.8%、営業利益で41.4%、経常利益で47.9%、中間純利益で42.2%上回った。この上振れの主な要因は、今期導入した従業員に対する四半期販売台数インセンティブ制と小売販売台数が想定以上に増加したことによる売上高の伸長である。また、販売費及び一般管理費の抑制も利益改善に寄与した。

 1Qの営業利益率低下の背景として、従業員の育成が計画通り進んでいない点やオートローン等の金融商品における収益性低下が指摘されていた。しかし、今期導入した従業員に対する四半期販売台数インセンティブ制が寄与し、3月から5月にかけて成約率が改善した。また、離職率低下に伴う採用コストの減少によって販売費及び一般管理費がうまく抑制されている。

 今後の業績を占う上で、市場環境の動向が注目される。まず中古車市場の需給バランスについて、2024年度の中古車オークション市場は各指標で好調に推移し、特に成約台数は史上初の200万台超えを記録した。慢性的な車両不足により事業者間の仕入れ競争が激化していたが、2025年に入り新車供給の回復に伴う下取り車の増加などで出品台数が増え、オークション相場は徐々に落ち着きを示している。

 次に中古車輸出市場の動向であるが、2025年はコンテナ船の輸送費下落を背景に、アジアやアフリカ諸国を中心に好調な動きを見せている。海運事情の改善と現地経済の急成長により、特にアフリカ地域への輸出台数の増加が顕著である。また、ロシア向け輸出には一部規制があるものの、第三国を経由したルートで引き続き高い需要が見られる。5月時点では、輸出環境が国内の相場を大きく上下させるような変化は見られず、国内小売需要と合わせて買取相場は昨年と同水準で推移すると見られている。

 一方で、このような市場環境は業界の再編を促している。円安を背景に、海外バイヤーが品質の高い日本の中古車を活発に買い付けており、仕入れ競争を激化させている。この結果、物価高の中でも中古車需要は活況であるにもかかわらず、資金力の乏しい中小販売店が買い負け、倒産に追い込まれるケースが相次いでいる。2025年1〜5月の倒産件数は前年同期比56%増の50件に上り、過去最高に迫る水準である。この業界淘汰の動きは、豊富な資金力と全国的な仕入れ・販売網を持つネクステージのような大手チェーンにとっては、競争環境の緩和と市場シェア拡大の好機となる可能性がある。

 ネクステージは、好調な中間期実績を踏まえ、2025年11月期通期の連結業績予想を上方修正した。修正後の通期連結業績予想は、売上高6,150億円(対前期比11.3%増)、営業利益170億円(同31.3%増)親会社株主に帰属する当期純利益108億円(同34.9%増)とされ、1株当たり当期純利益は134円42銭と予想される。年間配当金予想は34円で変更はない。投資判断を下す際にはこのような点を踏まえた上で慎重に判断する必要があるだろう。







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